あなたをかなえる美バランス・ライフ

時間とスタッフが自分の財産夫婦で追いかける美バランス・ライフ

第ニ回:渡辺琴美さん

私にとっての『美バランス・ライフ』

夫婦どちらが走る時かを見極める
家族、スタッフとの協力が全てを決めるカギ

  • 家族の近くで働きたい! 震災で知った家族の距離
  • 今度の走者はどっち!? 夫婦で決めるお互いの走り方
  • スタッフ不足 困った時こそ次への道が開かれる

 

埼玉県所沢市を活動拠点に運営されている「産後サポート ままのわ」は、出産前後の女性とベビーを支援する事業をおこなっています。代表の渡辺琴美さんが自身の出産時の経験をもとに、夫婦で立ち上げられた事業は年々利用者が増加し、最近では、杉並区の子育て応援券が同サービスで使えるようにもなりました。夫婦ではじめた会社が少しずつ大きな広がりを見せてきています。

家族の近くで働きたい ! 震災で知った家族の距離

結婚当時、都内の広告代理店で正社員として働いていた渡辺琴美さんは、一人目出産後も育休取得後、時短勤務制度を利用しながら働き続けていました。「あの当時は夫婦ともに都内で勤務していました。朝起きたらとにかく急いで支度をして、保育園に送り、仕事が終わったらすぐお迎えにというサイクルでした」。仕事は面白いものの、気が付けば子どもに対する口癖は「早くしなさい!」に、自分自身も時間に追われている感覚が強くなりました。電車に1時間以上もゆられての通勤に疲れはたまっていく一方です。「私は何のために働いているのだろうか、なんてことも考えてしまいました」。

もともと、起業願望のあった夫の大地さんとも「いつか何かをはじめたいね」とは話すものの、その「何か」にいきつくことなく、時間だけが流れていました。そんな中、起きた東日本大震災。「たまたま家族でいる時に地震が起こりました。それで、考えてしまいました。普段はなんなく1時間かけて通勤していますが、こうした緊急時に家族が近くにいないというのは、怖いなと、単純にそう感じました。もちろん、そうはいかない家庭もあることは分かっていますが、それでも、私たち夫婦は、働く場所を考えてもいいのではないかと強く思いはじめたのです」。通勤時間がなくなれば、その分仕事を早く始められる、子どもと関わる時間も増やすことができるのではないかと考えるようになりました。

今度の走者はどっち!? 夫婦で決めるお互いの走り方

はじめに決断をしたのは夫の大地さんでした。勤めていた会社を辞めて、株式会社 アイナロハを立ち上げたのです。「二人目を授かった時、妊娠16週で破水してしまい、1週間ほど入院することになりました。夫は上の子どもの世話や家事を一手に引き受けることになり、この時の経験から、妊婦や産後のお母さんの支援をする仕事は需要があるのではと考えたようです」。自分たちのためだけでなく、地域の支援にもつながる、夫婦で話し合いを重ね、起業の道を選ぶことにしたのです。

しかし、起業当初は順調とはいえない滑り出しでした。「何かするなら持ち出しは最小限にとどめ、ランニングコストがかかりすぎることはしないと決めていたのですが、出費はかさみました。一時は“来月、我が家は食べて行けるのか?”という状態でした。それでも、夫が社長となった以上、彼には社長としてきちんとした格好をさせなければと思っていました」。自身の美容室代は節約し、服も全て夫から買うようにしていたといいます。「私の中ではあれは、暗黒期です(笑)」。そんな琴美さんの支えの甲斐もあり、大地さんは大手出版社から本を出すまでになり、講座依頼も入るようになっていきました。大地さんの対外的な活動が活発化する中で、これまで育ててきた「産後サポート ままのわ」事業も前進、留守になる夫の代わりに、琴美さんが同事業の代表に就任することになりました。 

スタッフ不足 困った時こそ次への道が開かれる

代表となった琴美さんの頭を悩ませたのが人事問題。求人広告を出したところ、100人以上の申し込みがありました。採用したのは15人。ところが、ここで大きな壁にぶつかります。「『ままのわ』では、3カ月に一度スタッフ研修をしています。それは、どの人を派遣しても同じサービスを提供できるようにという理由なのですが、当時はこれに批判的なスタッフもいました」。

地域のいわゆる子育てサポーター制度では、一度研修を受けたらそれでいいのに、なぜ、また何度も研修を受ける必要があるのか疑問だというのが主な理由でした。何度も何度も研修の意味を伝えていくものの、賛同が得られず、残ったのは一人だけでした。「人を雇うことの難しさを味わいました」。そんな時、「産後サポート ままのわ」を広報誌で知ったという人からの問い合わせがあるようになり、志で繋がるスタッフが増えはじめます。インタビューに答える琴美さんの笑顔は、スタッフに恵まれている今の状態が反映されているようでした。起業して、一番うれしいことは、家族でそろって食事をとれるようになったことだとか。「当たり前のようで当たり前でないこの贅沢な時間をこれからも大事にしながら、夫婦で頑張っていきます」。起業という駅伝で、旦那さんとバトンをつなぎながら走る琴美さんは、これからも広いフィールドを走り抜けていくことでしょう。

プロフィール:渡辺琴美さん
大学卒業後、広告代理店に勤務。総務として新入社員研修や人事、社内規定の改定などに携わる。二人目を出産後に離職、夫が立ち上げた株式会社 アイナロハにて、「産後サポート ままのわ」事業に関わり、同事業代表に。ママと乳幼児向けに移動子育て支援「kusu kusu café」を主催、ロミロミタッチケア会などを開催中。5歳の男児、2歳の女児のママ。
HP:株式会社アイナロハ http://www.ainaloha.com/

女性の生活バランス設計を応援
美・バランス委員会メットライフ生命